軽自動車をバカにするなんて許せない
◎ 室内の狭さをバカにするな!
茶道の茶室を思い出してみてください。
軽自動車の室内空間のコンパクトさは、日本に古くから伝わる「禅」の精神を体現しています。「禅」とは仏教の宗派のうちのひとつです。インドを発祥とし、日本のみならず世界中で広がっています。仏教の「一切の執着を捨てる」という教えは、「無駄な空間をなくす」という軽自動車の室内空間につながっているのです。
軽自動車で出かけるということは、和服をまとうように、日本の伝統文化をまとって出かけることと同じだと言いきっても言い過ぎではないのです。
そもそも、普段、自動車に何人乗って走っていますか。一人で乗っていることが多くないですか。
たまに同乗者を乗せるときのために無駄に広い空間の存在を許すのはスマートではないです。空気を運搬するのにガソリン代が惜しくないのなら話は別ですが。
軽自動車はパーソナルな乗り物です。自分が運転手となって、乗員を乗せて走る乗り物ではありません。
パーソナルな乗り物と思えば、狭い室内も必要十分ではないですか。むしろ広いトランクなど無駄な空間に見えませんか。
それでも、室内の狭さをバカにできますか?
◎ パワーがないとバカにするな!
軽自動車はオートバイや自転車のカテゴリーに近いです。機械にアシストしてもらって、自分の能力を強化するイメージです。
この場合の能力とは、「脚力」「持久力」にあたります。能力強化の結果、自在に遠くへ移動することができるようになるのです。
一人で乗る分には、今の軽自動車は坂道をスイスイ上るだけのパワーはあります。エンジンの総排気量が少ないということは、それだけ無駄なガソリンを消費しないということです。
さて、日常行動する際に、どれぐらいアシストが必要でしょう。
そもそも、何と比べてパワーがないと感じているのですか。
道路を走っている軽自動車以外の車と比べているでしょう。その車と競争することに何の意味がありますか。競争して勝ったとしても何か得るものがありますか。小さな自尊心がみたされるだけであれば、こう考えましょう。「私は体にフィットした和服を着て歩いている。他の人は似合わないダブダブの洋服を着て歩いている。不格好なものだなあ。」と。
それでも、パワーがないとバカにできますか?
「足るを知る」ということわざがあります。「それで十分であることを知る」「自分の身の丈にあった状況で満足する」という意味で使われます。
ぜいたくを追求すればキリがありません。身の丈にあった車を粋に着こなして幸せを感じてみませんか。